Epic Theft世界樹の迷宮メインの二次創作とか語りなブログ。
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    【SS】望みなき未来へ 17:10
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      久々にSSです。
      いつもSSとか言いながらアホほど長いですが今回は短いです大丈夫。多分。
      一応1,2共にネタバレです。世界樹の俺設定語りだと思ってください。
      週末にあれこれと世界観の設定について話してたら「You書いちゃいなYO」とか言われたので書きました。
      単純ですね。おめでたい奴ですね。
      でも思い立ったら即実行しないと気がすまない人なので(そして見切り発車でこける)そんなものだと思ってください。

      でも一応起承転結、自分の中ではつけれたと思う…よ!

      続きからどぞどぞ。


       薄いガラス越しに見える無限とも思える数字の羅列は、一見しては何ら意味を持つものではない。
       そして、言ってしまえば数字自体が、モニタに映し出されたただ光の集合体にすぎない。
       太古の時代、その記号に使命を与えたのは人だった。後に人は“数”そのものにも命を吹き込んだ。
       そして今、人は…そんな自らが命を吹き込んだ生きた記号の羅列に……。
       ――その命運を委ねようとしていた。

      「最適化は順調に進んでいるかな」
      「はい」
       
       唐突な呼びかけであったが、女は即座に応じた。そしてモニタから視線を上げ立ち上がり、いつの間にやら訪れていた来訪者へと向く。

      「素早いな」
      「ベースが秀逸でしたので」
      「皮肉かね」

       硬い足音と共にシルエットに過ぎなかった来訪者の姿が初老の男へと変貌した。女の眼前を分厚い胸が横切る。
       女と入れ替わるようモニタの前に立った男は軽やかにボードを操作した。途端にモニタに埋め尽くされた数字の羅列は、膨大な量の“言葉”へと置き換えられた。

       ――言葉であり情報。

       それは『世界樹計画』の情報の断片だった。
       汚染され荒廃した地球に再び生命を注ぐ。7本の大樹を地球の各地に配置し、大地を浄化する。
       男の目の前にあるのはその7本の大樹のうちのひとつ。極東に配置される世界樹の構成を示すものだ。
       それは呪われた大地を救うかもしれない祈りの言葉とも言えた。

      「極東ロシア…この候補地を押したのは君だったかな」
      「はい」
      「そろそろ答えてはくれんかね。何故君はこの地にこだわった?」

       女が口を開きかけた、それより早く男はさらに言葉を連ねた。

      「各地から招致の声が止まぬ中、中枢となるシンジュクに続き北東アジアで二本目の世界樹とは。他に配置すべき場所はいくらでもあった」
      「中枢の近辺だからこそと申し上げたではないですか。万が一シンジュクの世界樹が十分に機能しなかった場合を想定する必要があると」
      「『箱舟計画』の目的地も極東ロシア上空だったな。君は既に破綻したその計画に深く関わっていたと聞いたが」

       淀みなく紡がれた女の言葉が始めて途切れる。
       表情にこそ変化はない。しかしそれが裏目に出た。
       打てば響くような反応を崩さなかった彼女だからこそ、ほんの僅かな沈黙さえも調子の乱れを伝えた。女に背を向けたままの男にも。

      「…私が私情で計画を薦めたと?」

       言葉にせずとも女の声は非難を訴えた。  

      「博士はいくらかは私を買って下さっているものと思っておりました」
      「だからこそだよ、女史。優秀な科学者はたった一つの正当性だけで結論を出したりはしない。ひとつの結論に幾つもの意味を持たせる事だろう」

       背越し聞いた声は、女には愚弄と聞こえた。
       “優秀な科学者”……真にそうであったら、今頃女は地上には居なかっただろうに。

      「博士は滑稽だと思っておられるのでしょう?大地を捨て空へと逃れ、逃れた先でまた死滅しようとしている人々を」
      「いいや」
      「そして、そんな人々を見捨て大地に帰還した私たちを、早計で薄情な女だと思っておられるのでしょう」
      「いいや。そうではないよ、女史」

       ボードを操作する手を休め、モニタから視線を上げ、男は女に向き直った。

      「『箱舟計画』も『世界樹計画』も同じ。人類に残された手段のうちの一つだった。『箱舟計画』は既に結果が出た。破綻という形でな。『世界樹計画』はまだ結果が見えておらぬ。それだけの話だ」

       声が一度区切られると共に、男の面持ちが変わる。
       リアリストの科学者の眼は、夢想家の頼りなくも暖かなそれに変貌した。 

      「願わくば、すべての人類に希望のある結果を望むがね」

       何も無い虚空を見つめる男。その視界には輝かしい未来の幻が映し出されているのだろうか。
       だが女は知っていた。その幻の中にさえ男の希望は存在しない事を。
       そして、女自身もそれは同じだった。

      「私は願いたいのです。いつの日か地上と空へ別れた人類が、再び一つとなり同じ場所へとたどり着くことを」
      「…途方も無く気の長い、そして尚早な願いだ」
      「世界樹は人類の希望です。その光を見る権利は天空の人々にもあるはず」

      “遠い未来に人の末裔達がこの世界樹を通じ出会う事を。そして偽りの大地でも天空でもない、母なる大地に再び帰還する事を――。”

       ……女は少し離れた場所から発光する数字の羅列に視線を投げた。この無機質な記号の羅列はやがて、大地にそびえる大樹となり地上の毒素を浄化しながら成長し、いずれは空への架け橋となる。
       そして同時に、大地のよう荒廃してしまった人の心をも再生させるのだ。

      「『世界樹計画』の目的は人の存続だ。一人でも多くが世に残るためのな」

       空へ昇った者たちもまた、思想を違え手段こそ相容れぬものの同じく人類の未来を願った同士である事に変わりは無かった。
       少なくとも女は願っていた。目の前の男に己の思いを理解してほしいものだと。
       そして、その願いは叶えられたのだと思った。

      「ヴィズル博士」
      「何かな、女史」
      「お噂は真実ですか?博士は世界樹の細胞を移植し、ひとり生き永らえるつもりだと」

       今度は女が問いかけ、そして男が沈黙する番だった。
       しかし女はそれが嬉しかった。男にはすげなく否定の言葉を返す事も容易いはず。そうでないのなら、女の仕掛けた問答は拒絶されてはいない。少なくとも、今は。
       
      「肯定、の前提でお尋ねしてよろしいでしょうか?」
      「…続けたまえ」
      「何故同じ方法でお子様をお救いにはなられなかったのですか」

       男に対する…いや、愛娘を失い間もないに“父”に対する問いとしては、非礼も過ぎたものだろう。
       しかし女はそれと解って口にした。そこまでに男の答えを求めたか、あるいは先ほど自らに投げかけられた問いへのささやかな報復の念もあったかもしれない。
       男はしばし眉根を寄せて思案した。
       女はただ待っていた。

      「皆は、君が『箱舟計画』指導者の能力を見限ったのだろうと…そう言うが」

       中には失権した男を見捨て、より権威ある男に擦り寄ったなどと言う者さえも居る――女自信もそれは既知の事。
       そんな、答えとしてはいささか通じない言葉にも女は黙して耳を傾けた。僅かな語調の変化さえも聞き逃さぬようにと。

      「我は、そうは思わぬよ。君も我と同じ結論を出したのだろう。永劫の命の果てにある結論を」

       言葉の意を探り当てるのに要した時間は僅かだった。が、女が顔を上げた時、既に男の足は帰路へと向いていた。
       男の長身がゆっくりと闇に溶け行く。

      「命ある者の最大の苦痛は『死』で十分だ。それ以上の苦しみなど無用。愛する者であれば尚のことだ」

       重い扉が床を滑る男と共に、外部からの光により一瞬男の姿が鮮明になる。長身の割りに小さく見える背。まだ白くなるには早いはずの髪。
       女は瞬きもせずにそれを見送った。金属の扉がその姿を隠した後も、ずっと。
       見開いたままの瞳から止め処なく流れる雫に、女自身はしばし気付かずに居た。
       

       **


       室内には低い電子音と共にボードを叩く規則的な音が響くのみ。

      『お前もすぐに理解するはずだ。…命あるうちに真実に気付き、ここ天空へと帰還しろ。…約束だ』

       そんな中、二度と聞くことの出来ない声は、自らの記憶が生み出した幻。
       自覚しながらも女は頷いた。声に応じるように。それは、記憶の中の女自身と同じ行動。
       だが女には解っていた。
       女自身の望みがかなう事は永遠に無いのだろう。女は天に帰る事はかなわず、やがてこの不浄の大地で朽ちる。
       だがいつか人はこの世界樹を通じ天空へと帰還する。“彼”の望み通りに。
       空の人々の手を取り、再生した母なる大地へ共に降り立つために――。
       
       女はその指先で、希望の呪文を紡ぎ続けた。 
       



      ****



      上帝の「彼女」が空から帰還した後の、ヴィズルぅとの話です。
      箱舟計画とか言ってますが、まあ天空の城の事で。
      でもってハイラガ=ロシアとか言ってますが適当です。
      ただ、少なくともエトリアから何年も旅しなきゃいけない距離ではないと思うので、そのくらいでいいかなとかね。

      自分の中で(と言ってもみんなの話聞く限り同じように考えている人は多いのですが)元々天空の城とハイラガの世界樹は独立したもので、
      天空の城のある場所に後から世界樹を生やしたんじゃないかなと思っていて。
      で、ハイラガ王室の祖先は天空の城から帰還した者で、天空の城や世界樹に関する情報を多く残してることから(最初はちゃんとした「情報」だったのが、時間の経過で伝説とかおとぎはなしっぽくなっちゃったのだと思ってる)
      彼女が、帰れなくなった天空の人たちのために色々仕込んだんじゃないかな!と思ったりしたのです。
      彼女は本当は一緒に空で生き残る別の道を模索したかったけど、上帝に不老不死をあきらめさせるには自分が居なくなるしかない…思ったんだよ、っていうね。
      結果は…あれですが。

      ハイラガの血筋が彼女と上帝の子だったりすると色々因果がある気もしますが、正直公女さま影薄いのでさほどロマンも無いし、そーゆーのはあんまりむやみに使うネタでもないと思うので、深く考えるのはやめときます

      SS内で彼女に「いつか大地に戻る」みたいな事言わせてますが
      研究を続けてる人間は「遠い子孫にはニセモノの大地じゃなくて、本物の大地(シンジュクを初めとした)を返せるように」って考えて計画薦めてるのですが、実際の人類の子孫(つまりエトリアとかハイラガの人たち)にしてみれば、そんな旧世代の偉人の配慮なんか知ったことではなく、「別に真の大地とかどうでもいいから、今すんでる場所にずっと居たいんですけど」って状態かなーとか思ったりね。
      まあ、親の心子知らず、子の心親知らずってとこです。

      世界樹1の、熟慮の上で心底良かれと思ってやった事が裏目に出たり(あるいは、「途中までは」とか「一部の面では」正しかったのが最終的に破綻したり)っていう儚さが好きなので踏襲した感じでしょうかね


      でも、人間のために地球作り変えるってヴィズルの思想よりは、地球にあわせて人間作り変えるって上帝の思想の方が何かエコっぽくね?
      いや、エコとか今流行ってる言葉適当に使ってみただけだけどさ。
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