Epic Theft世界樹の迷宮メインの二次創作とか語りなブログ。
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    【SS】超執刀と氷の剣士 12:57
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       なに?私が何故迷宮へ潜る事をやめ、施薬院で医師をしているかだって?
       なるほど、私がいかにして己の実力の限界を知ったか興味があるのかね。
       …老人の古傷を曝け出そうとは、君も人が悪い。
       だが、そうだね。君たちもそろそろ迷宮の奥深く、既に未踏の地と呼ばれた場所まで向かう身だ。
       断っておくが長くなるよ。
       最も、途中で君が退屈の余り眠ろうとも、飽きてこの部屋を出て行こうとも、構いはしないがね…。


       もう10年近く前の事になる。
       私は君たちのように、4人の仲間と共に迷宮を彷徨っていた。
       その不可思議な世界に驚き、感動し、次々と開かれる未知の領域に息を飲んだものだ。
       水晶のような森、静寂の中を流れる川のような砂…見たこともない美しい草花、そして動物、野鳥。見るもの全てが珍しく、私は子供のように夢中になった。
       私の仲間もそうだった。もっとも、目的は様々であったがね。
       私達はこの先へ進み、この樹海の秘密を手にするのだと、信じて疑っていなかったよ。

       ――そんな時だった。私達の前に、恐るべき敵が立ちふさがったのは。

       それは巨大な爪で全てを切り裂く猛獣か?それともその牙で身体の半分をもっていくだろう怪物か?
       …残念ながら、ハズレだ。小さな女の子だった。あの商店の娘、シリカよりもまだ幼いくらい…だったか。
       彼女は、小さなその身の丈ほどもある刀を手にし、私達に向かって言うんだ。

      「この先へ行くと言うのなら、死んでもらう」

       私も参ってしまってね。それが日常であれば彼女の少々荒っぽい遊戯につきあったかもしれないが、何しろそこは樹海だ。
       何より、彼女の瞳…歳には不釣合いな強い覚悟と、とてもとても暗い光を宿したその瞳はね…冗談だとは、言ってなかったんだ。
       それでも私達はまだ冷静だった。たかだか一人の子供。殺めずとも簡単に無力化できると思ってたんだ。
       ところが、甘かった。…たいした少女だったよ。
       死者こそ出なかったが、どうにかして彼女を追い詰める頃には仲間は皆、倒れてしまってね。無傷なのは私だけだった。
       そこで私は言ったんだ。満身創痍の彼女に向かって。「もうやめなさい」と。

       だが、彼女は引かなかった。

       息を荒げ、着物を真赤く染めながら、それでも剣をひかなかったんだ。
       自らの敗北と迫る死を感じて、怖かったのだろう。がくがくと震え暗い瞳からは大粒の涙を零して。
       そうしながらも、断固としてここは通さないと言い張ってね。私は不覚にも圧倒されてしまった。

       …そのまま彼女を殺す事はできただろう。

       だが、これ以上続けては確実に仲間に犠牲が出る。
       それは、絶対に避けねばならないことだ。もちろん、彼女の手に罪科を背負わす事も躊躇われた。
       だが何より、私自身、まだ幼い子供を手にかけることが怖かったんだ。情けない事にね。
       引け、引かない。そんな問答を何度も繰り返した。
       無論、私は彼女に聞いたよ。何故ここを通ってはいけないのか、何故殺そうとしてまで止めるのか。彼女は答えてはくれなかったがね。
       ただ時折、ひどく悲しい目をするんだ。助けを求めるような、子供の目をね。
       私は胸が締め付けられる思いだった。
       一体何が、少女をここまでさせるのか。どうしたら止めさせられるのか。どうすれば彼女の訴えに応じる事が出来るのか…考え、考え抜いたが、ついに私は音を上げた。
       私は負けたのだ。たった一人の子供にね。
       立ち塞がる彼女を退ける事も、血塗られた行いをやめさせる事も、出来なかった。
       ただ彼女の前から逃げる事が精一杯だったんだ。
       
       そのときだよ、私自身の力に限界を感じたのは…。
       …私は仲間を連れて彼女の前から去った。二度と樹海には立ち入らないだろうと誓って、ね。



       …さて。昔話はこれでおしまいだ。そろそろ私も休む時間だ。君たちも、もう帰りなさい。
       ん?その少女はその後どうしたのか、だって?彼女は今でも、樹海を彷徨っているよ。
       …私も今でもね、毎日祈っているのだよ。
       どうか、彼女の手が罪に染まる日が来る事のないように、
       その日が来る前に彼女に救いが訪れるように…とね。

       






      『私は実力をさとり、迷宮の中に入る事はやめたが』

      …第二階層クリア時に一度だけ聞けるDr.キタザキの台詞です。
      おい、LV144のメディックが実力を悟ったとかどういう事だと。
      そんな事言われたら、どうがんばってもその半分以下の実力が限界な私達、
      どうすればいいの、と。

      …そんなところから生まれた妄想でした。
      まあ、その後の話を聞くに、枯れ森にも入ってなさそうなんですが、
      誰がどの階層までいったかの話は本当いい加減なので、適当でいいや、と。
      書いてて大分楽しかったです。息抜きになりました。
      一人称を書くのは楽しいので、また思いついたらさっくりと何か書きたいですね。
      NPCの方が書き易い感じがしますが。

      この話の場所は枯れ森を想定してます。
      脳内設定では、通常レンが(王に言われて)待ち構えていたのはモリビトの領域の手前…だったのが、
      PC達の時は既にモリビトも邪魔だという事になり、もう少し様子みさせた、みたいに想像しています。


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